2012年08月30日

第3回都市農山村交流居住コーディネート情報交換会

テーマ 農山村で働ける誇り。おやじ、おっかあが元気になる地域づくり
     
−事例 旭木の駅プロジェクト その自治的役割−


1. 旭・木の駅プロジェクトの実際 事務局 西川早人
1) 背景とはじまり
丹羽健司氏の「木の駅」運動を学び、スローライフセンターの事業の中でこのプロ
ジェクト構想が始まった。
@第1回(社会実験として)
 2011年1月    地元説明会
      2月〜3月 出荷
      6月    報告会
A第2回(実行委員会で実施)
 2011年7月    実行委員会結成
     10月    説明会
     11月〜12月 出荷
B第3回(実行委員会主導で実施)
 2012年1月    説明会
      2月〜3月 出荷

 結果         1回     2回     3回
  出材       90t    92t    216t
  モリ券発券    約360枚  約460枚  約720枚
  出荷者      約30人   約30人   約40人
  登録商店     19店舗   29店舗   32店舗

2)実施してみて
 ・山主の人の声がよかった。
  例)年に何回かやってくれるといい。続けてほしい。えらいけどうれしい。
    まだモリ券を使っていないが、地元でなんでもありそう。
    出荷土場がもっとたくさんあるといい。チェンソーの音が聞こえるのは
    うれしい。など
 ・1回目はお試しだったが、2回、3回となると、期間の前でも前もって準備して
  木を切り出していた。
 ・アンケートから
  1回目、2回目は60代が多かったが3回目になると70代が増えた。
  一人参加が多いが、だんだんグループでやるのが増えた。一人だけだとできる場所が
  限られてしまう。 
・しづらせ地域 森づくり会議で相談し、3,4人で3日行った。森林組合の間伐は
  切り捨てなのでもったいない。木の駅では木を活用できることがよい。
 ・一色地域 8軒の集落で、10年後も存続しているかどうかもわからないような
  地域。参加したのは間伐することが目的でなく、思い出づくりのためのお祭りの
  資金作りが目的だった。15t軽トラで30杯分出せて、
  89モリ券(89000円)分になり、いろいろお祭りの準備に役立った。

3)今後
  第4回以降の計画が立てられている。会計も独立し、豊田市の実行委員会参加
 (協働・負担金)と寄付などで継続できる会計を目指す。
 また安全講習会なども実施していく予定。
 一人でやるのは大変なので、できればグループ単位でしていくようにもっていきた
 いと考えている。

2.地元参加者の想い、変化  旭地区 鈴木正晴

 ☆想い
  私は山が好きで、ときどきは間伐していた。しかしあるときから、森林組合が
  木を持っていってくれなくなった。それが残念だった。
  ⇒木の駅のしくみを聞いて素晴らしいと思った。大賛成。
  ⇒自分と同じ思いを持ってくれている人がいることがわかってうれしかった。

 ☆変化
  2回目、3回目になると、たくさん、たとえば10トン以上出すような人が
  増えてきた。横(グループ)の広がりだけでなく、3次元の広がりを
  見せてきた気がする。それが具体的にどういうものかは言い難いが。
  まちづくりのビジョン(集落ビジョン)の中で間伐をして
  いこうという地域がでてきた。

 ☆今後の課題
  意識改革。お金にとらわれすぎない。1トン6千円でできないなら、
  やめるというのではなく、5千円でもやろうと考えてほしい。
  はじまった原点に立ち戻り、忘れない必要がある。

3.木の駅プロジェクトは農山村再生のエッセンスに満ちている  丹羽健司
 
 ☆鳥取県智頭町の実例「木の宿場プロジェクト」紹介
   http://kinoeki.org/modules/tizu/
   1か月の社会実験で200t集まった。

 ☆愛知県豊根村でもやろうと動き出した。
   人口1400人のエネルギー支出額は5億。その1割でも地域に落とすことは
   できないかと考えている。

 ☆恵那の木の駅プロジェクト
  木の駅の原型は高知県仁淀川町でNPO法人土佐の森がはじめた。
  これを誰でもできるように標準化したのが恵那での試み。
  木の駅には、森の健康診断、山里の聞き書き、森林塾が
  セットでやることにより意味がある。

 ☆その他の地域
  岐阜県上石津町、高知県さめうらダム(大川村、土佐村、本山町)
  茨城県常陸大宮市美和地区などではじまった。
  これらの地域に共通するのは、県境、どんつまりなど危機感のある
  場所だということである。

 ☆木の駅ルール
  出荷材は1年以内に伐採したもの、長さ50〜200p、末口径5p以上、
  枝葉がないもの。これは検査するわけではなく、自己申告制。
  旭の木の駅はほかの地域に比べても一番貧乏だが、それだけに
  どうやっていくか一番面白い。
  今市が負担金を出そうとしているが。この木の駅の実行委員会を立ち上げ
  運営してくことが、地域自治の学校になる。

 ☆事務局
  事務局の仕事が大変。この経費をどう捻出していくかが課題。
 ・旭の場合、平成24年3末まではふるさと雇用で杉野さんがやっていたが、
  それが終わってどうするか。
 ・東栄町の場合 商工会が商店との換金部分を担当。森林組合が出材者との
  換金部分を担当し、いろんなところが手伝って、事務局の仕事を負担しようとしている。
 ・恵那の場合 出材者が出資している。
 ・月1000t出材があれば、事務局経費がでてくる。この量を集めるためには
  1か所では無理で、何か所かを集積していく必要がある。
 ・木の駅では材を出すことが目的ではなく、地域で循環する仕組みを作ることが必要。
  これはバイオガスでも同じ。
   生ゴミ、糞尿⇒ガスと液肥⇒この液肥を使って有機農家が野菜⇒生ゴミ、糞尿
 ・出材者からの買い取り価格と業者の買い取り価格の差額があることがどうしたら
  いいか考えるきっかけになる。
 ・地元住民と行政の間をコーディネートする人が必要。これはよそ者がよい。
  このコーディネータに行政がお金を出す。

4.それぞれの意見

1)市地域支援課寺田 地域通貨としていい例ではないかと思う。価値がはっきりして
           いて信用がある。
2)市地域支援課渡辺 志があると感じた。
3)市下山支所下田  うまくいく事例は何が違うのか知りたい。
4)市森林課原田   森林課がだまっていたのが、旭での成功の秘訣!
5)市稲武支所築山  稲武の場合、いろんな問題があるが、参考になればよいと思う。
6)市旭支所天野   昨年は足助支所にいた。旭では今回から出材者が5%、
           商店が2%の事務経費を負担する方向。
           旭には木の駅女子部(実行委員会とは別の組織)があり
           応援してくれている。この女子部がもっと宣伝していこうと
           いうことで、皮むき間伐イベントを実施した。
           地元の親子4組が参加して、参加者の子どもが夏休み新聞に
           発表してくれた!今後「森ガール」が流行っていくのでは!
7)M-easy雨森   実行委員会が自治の学校となっている時点で成功していると
           思う。
8)学生青山
9)名古屋大学高野  若い人が移住してくると、これでとりあえず食っていけるのでは?
10)矢森協
11)澁澤寿一    行政が一番心配に思うことは負担金。豊田市の場合、
           トヨタ自動車と割箸工場を作れないかという話がある。
           それがあれば負担金はいらなくなる。
           また地域内でエネルギーとして消費できれば、この問題は
           解決できるのではないか。たとえば会津田島では1トン1万円で
           買い取っているが全然材がでてこない。
           仕組みだけ真似しても心意気がないとできない。
           みんながわがままをいいだす。
           旭の場合、みんなが少しずつ損をする、だからよいのではないか。
12)愛知県交流居住センター加藤 
           経済という側面だけでなく、自治の学校だったり仲間
           づくりだったりといういろんな側面を持っているのがすごい。
13)市矢作川研究所 洲崎 豊田が自慢できる仕組みと思う。環境にもよい。
14)市足助支所 岩元 やはり気になるところは負担金。
15)丹羽      地域通貨が使える商店一つずつまで議論するところが面白い。
16)西川      今回ガソリンスタンドは使える場所にはしなかった。
           集中すると予想されたので。
           今回は森林組合で使われたのが一番多かった(チェンソーetc)。
           ので、制限を加えたらどうかという意見もでたが、
           今回はみんな一通り買った後なので、集中しないと思い様子を
           みることにした。
           サークルKでも使えたが特に集中することもなかった。
           このようにすべて実行員会で決めていく。
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2012年08月04日

第2回 都市農山村交流居住コーディネート情報交換会 「定住施策」

8月3日に第2回が行われました。テーマは定住施策です。

1. 空き家情報バンクの課題と今後の取り組み 豊田市社会部地域支援課 渡部
1) 現状と課題
  利用登録者数(延べ約230人)に対し、物件登録数が少ない。
  制度を利用した移住者-22世帯48人
  30代ぐらいの若い家族と60代の定年後の家族、半々ぐらい。
  これが多いのか少ないのか?
  特長として、地域面談による入居者の選考がある。
  着実に定住者数を伸ばし、物件登録者や入居者からも良い評価を得ている。
今後の課題
 ・物件登録を増やす必要がある。
 ・田舎暮らしをしたいという人の継続的な確保

2) アンケート調査の実施
利用登録者
 年齢は30代と60代が多い。利用登録をした理由は田舎暮らしがしたいが最も
 多い。
 ホームページへ追加してほしい情報は入居者の声や受け入れ地域の声。
 またHPに動きがないという指摘もあり、もっと更新の頻度を高くする必要があ
 る。

3) 今後の取り組み
 物件登録を促す取り組みの強化
 ターゲットを絞った広報活動
  チラシではなく、空き家の所有者に直接交渉。
 貴重な人材(=利用登録者)を逃さないための工夫
  登録者自体がこんな私たちを受け入れてほしいという空き家を募集するような
  試みをしてもよい。市からの情報発信の強化。

2.定住の状況と課題 農山村部各支所から
 1)旭支所 中垣
    定住実績 平成22年度 6世帯15名 平成23年度 6世帯13名
    現在、低家賃モデル住宅を杉本町に2LDK9戸分建設中。
    家賃は2万5千円以内で平成25年度から入居開始予定。
   課題
    ・旭ぐらし体験事業(お試し居住の館、お試し農園(現在名古屋の人1組、
    知立の人1組借りていて4区画残)の利用促進と継続実施の検討。
    平成23年度、101人が体験し、そのうち空き家バンクで移住したした人が1
    組、空き家バンクに登録した人が1組、足助に移住したした人が1組
    ・空き家、住宅建設可能地の発掘。
      現在34戸の空き家所有者の意向を調査しており、物件の登録を進めて
      いきたい。

 2)足助支所 松原
   平成23年度定住実績 9世帯24人 ここ数年は同じくらい
   ・上記はすまいる紹介制度による 旧足助町時代から実施している物件等紹
    介制度。
    空家バンクと同じようなものだが、売買はなしで賃貸のみ。
   ・2戸2戸小規模宅地分譲事業
     2〜5区画程度の小規模な分譲事業。定住希望者と地元住民との交流を
     通した選考により購入希望者を決定。デメリットとしては時間がかかる。
   ・あすけ通信 
     足助地区外に暮らす地区出身者に地域情報誌(ボランティアで作成)を送
     付。Uターンのきっかけつくり。8月に第1号を発送したところ。
   ・耕作放棄地の草刈りボランティア→今後受入集落を増やしていきたい。
  課題
   ・旧足助時代に整備したテレビインターネットシステム。新規加入が困難(何
   百万もかかる)ため、テレビ・インターネットが使用できない場合も少なくない。
   ・重要伝統建造物に指定されたため増改築に制約
   ・足助の小学校は現在10校あるがだんだん生徒数が少なくなっているので、
    将来は統廃合がありうるかも。

 3)小原支所 杉浦
  平成23年度定住実績は0軒だが平成22年度は1世帯3人
  平成24年度宅地分譲にて4世帯が申し込んだ。
  しかし、必ずしも分譲型の宅地を転入者は望んでおらず、程度の良い古民家が
  ニーズである。

 4) 下山支所 下岡
  平成23年度定住実績は2組(空き家バンクによる)。
  下山に生まれ育った子どもたちが将来下山に住むことができるように、魅力の
  ある定住環境を考え、住民が主体となって取組むための里楽暮住しもやま会
  が発足した。そのスタートアップ事業として、下山出身者等へのアンケート調査  ・集落のリーダー養成などを行い、その報告会を中学生とその親を対象に行っ
  た。そこで中学生より、今までは下山を出ることばかり考えていたが、残るという  選択肢もありと思ったという感想が聞かれた。
 
 5) 稲武支所 本日欠席

3.民間での取組事例
 1)敷島自治区(旭地区)の取組 安藤征夫
  ・地域の活性化のために、一番手っ取り早いことがIターン者を呼び込むこと
   そのために
    ・地域がIターン者を受け入れる気持ちを作る。
    ・地域の住民が自分たちのいるところをいいところだと思えることが重要。
  交流の拡大
   ・敷島ふれあい塾 トヨタ紡織
   ・鍬鍬わくわく体験 ボーイスカウト
   ・味噌・さつまいもづくり体験
   ・グリーンママン、M−easy
   ・あいちの山里で暮らそう80日間チャレンジ事業
  受入体制の整備
   ・空き家の調査と紹介。一度貸せる空き家がなくなったので、空き家で貸せな
    いとしている人に、貸せない理由を書いて提出してもらうようにした。
  終の棲家としての敷島の自信と誇りを持つために
   ・敷島自治区総合計画 しきしま?ときめきプラン2010を策定
   ・各組単位の総合計画(集落ビジョン)を策定
     自分の地域を知ることも大切。ある集落は自分たちの集落のパンフレット
     を作った。


2)千年持続学校 高野雅夫
 1年半の講座で100万円で自然エネルギー100%の家を作る試み。受講生の誰か一世
帯がこの家に住むことになる。参加者は27組で、30代の人が多い。月1回2日間の講座
で、すでに完成が待ちきれず移住が始まっている。1年半の期間中に7世帯21人が移住し
た、または決まっている。ほとんど空き家バンクを活用した。

田舎暮らしをしたいと入ってきている人はどういう人なのか、分析が必要である。
 ・自分の暮らしを自分で作りたい。
 ・都会での暮らしはすべてお金で買うもの。
 ・田舎に来ている人たちは便利さを求めていない。
 ・自分たちが食べるものを自分で作りたい。
 ・今までの常識とは全然違う。
 
 田舎に住みたい世代 1位20代、2位50代
 8%の人がはっきり田舎に行きたいと答えている。
 
 そういう人たちは、今田舎にいる昭和一桁のじいちゃん、ばあちゃんと話が通じる。
 逆におじさん、おばさん世代とは理解しあえないものがある。
 
 田舎に住むことについての一番のハードルは心のハードル。
  千年持続学校で毎月通ってくることで、心のハードルがぐっとさがる。
 
 
 実例)長野県阿智村
  ここ、2,3年Iターン者が増えている。
  有機農業で新規就農する人が多い。
  普通、有機農業がやりたいというと役場はけんもほろろであるが
  阿智村は役場の職員がとても親身に相談に乗ってくれる。
 
 質問)高野先生が話した移住してきた人たちはどんな仕事をしているのか
  ・森林組合、家具職人、畳職人、有機農業など
  ・都市に通う人は少ない。
  ・田舎は雇用がないので、住めないと思いがちだが、都会から来る人は
   雇用されたいとは思っていない。
  ・生業づくり。とりあえず3万円稼ぐ。
 戸田さん(Measy)
  ・自分の世代では年金はもらえないかもしれない。
  ・年をとってもずっと働き続けたい。
  ・お金はやはり必要なのは確か。
  ・地域の中で地域作りに関わりながら暮らしを作り上げたい。
 渋澤さん
  ・地域の中で仕事をリストアップすれば、20くらいは小さな仕事がある。
   その仕事を組み合わせながら暮らしていくことができる。
 雨森さん(Measy)
  ・Measyや地域の人々にお金以外のものをいっぱいもらった。
   そのお返しをしたい。戸田さんが目指していることを実現するには
   何十年もかかると思うが、それに力を貸していこうと決めた。
 
posted by くまくま at 20:38| Comment(0) | 定住促進